SESやめとけ?その実態を知り、適切なキャリア選択を:メリット・デメリットと優良企業の見極め方
投稿日 2024年06月14日 更新日 2024年06月15日
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ITエンジニアを目指す人にとって、SES(システムエンジニアリングサービス)は魅力的な選択肢の一つです。しかし、一方で「SESはやめとけ」という意見も聞かれます。本記事では、SESの仕事内容や特徴、メリット・デメリットを詳しく解説し、優良企業の見極め方や適切なキャリア選択のポイントについて述べていきます。

1. SESとは?仕事内容と特徴
1-1. SESの概要とエンジニアとしての役割
SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、ITエンジニアが客先企業に常駐し、システム開発や運用・保守など、様々な業務を行うサービスを指します。SESのエンジニアは、客先のプロジェクトに参画し、要件定義、設計、開発、テスト、保守など、システム開発のライフサイクル全般に関わります。
1-2. 社内SEやSIerとの違い
SESエンジニアは、社内SEやSIer(システムインテグレーター)と混同されがちですが、役割は異なります。社内SEは自社のシステムを管理・運用するのに対し、SESエンジニアは客先に常駐してシステム開発に携わります。SIerは、自社で受注したシステム開発案件を、自社のエンジニアや外注先を使って完遂するのが主な役割です。
1-3. 客先常駐の業務形態
SESの最大の特徴は、客先常駐型の業務形態です。エンジニアは、客先企業のオフィスに常駐し、社員と同じように業務を行います。このため、コミュニケーション能力や適応力が求められます。
2. SESのメリット:経験を積むチャンスとキャリアアップの可能性
2-1. 未経験からITスキルを身につけられる
SESは、ITエンジニアを目指す未経験者にとって、スキルを身につける絶好の機会となります。多くのSES企業では、未経験者向けの研修制度が整っており、プログラミングやシステム開発の基礎から学ぶことができます。
2-2. 大手企業での就業機会と幅広いIT知識の習得
SESエンジニアは、大手企業のプロジェクトに参画する機会が多くあります。これにより、大規模システムの開発経験を積むことができ、幅広いIT知識を習得できます。
2-3. 最終責任を負わないことによるチャレンジのしやすさ
SESエンジニアは、あくまでも客先の指示に従って業務を遂行するため、最終的な責任は客先が負います。このため、新しい技術へのチャレンジがしやすく、失敗を恐れずに経験を積むことができます。
2-4. 対人スキルの向上と人脈形成
客先常駐型の業務形態により、SESエンジニアは様々な企業の人々と交流する機会が多くあります。これにより、コミュニケーション能力や対人スキルを磨くことができ、将来に役立つ人脈を形成することができます。
2-5. 独立への足がかりとしての活用
SESでの経験を活かし、将来的にフリーランスエンジニアとして独立するケースも少なくありません。SESで培ったスキルや人脈は、独立後の業務獲得に役立ちます。
3. SESのデメリット:「やめとけ」と言われる7つの理由

3-1. 低い給与と不明瞭な評価基準
SESエンジニアの給与は、他の職種と比較して低い傾向にあります。また、客先常駐のため、評価基準が不明瞭で、なかなか給与が上がらないというケースも見られます。
3-2. 案件獲得の不安定さと待機期間のストレス
SES企業の業績は、案件獲得状況に大きく左右されます。案件が確保できない場合、エンジニアは待機期間を強いられることがあり、精神的なストレスを感じることがあります。
3-3. 客先常駐の孤独感とアウェイ感
客先常駐の環境では、SESエンジニアは客先社員と比べて孤立感を感じることがあります。また、客先社員との関係性によっては、アウェイ感を感じることもあります。
3-4. スキル不足による切られ不安とスキルアップの困難さ
案件先で要求されるスキルレベルに満たない場合、契約を切られる可能性があります。また、客先常駐では自己学習の時間が取りにくく、スキルアップが困難という側面もあります。
3-5. 案件のガチャ要素と業務内容のミスマッチ
SESエンジニアは、自分の希望や適性とは異なる案件にアサインされることがあります。この「案件ガチャ」により、モチベーションの低下や業務内容とのミスマッチが生じる可能性があります。
3-6. 雑用の多さとITスキル不要な業務の存在
客先常駐先では、本来のシステム開発業務以外に、雑用や事務作業を任されることがあります。これらの業務はITスキルを必要としないため、エンジニアとしてのスキル向上につながりにくいでしょう。
3-7. 業界構造の問題点と将来への不安
SES業界は、ピラミッド型の構造となっており、下請け構造が複雑化しています。この構造自体に問題があると指摘する声もあり、エンジニアとしてのキャリアパスに不安を感じる人もいます。
4. SESの体験談:メリットとデメリットの実例
4-1. スキルアップと大手企業での経験を積んだ事例
Aさんは、未経験からSESエンジニアとしてキャリアをスタートしました。研修で基礎を学んだ後、大手金融機関のプロジェクトに参画し、金融系システムの開発経験を積むことができました。この経験は、その後のキャリアアップに大きく役立ったと言います。
4-2. 低賃金と雑用に苦しんだ事例
Bさんは、SES企業に入社後、想定よりも低い給与に不満を感じていました。さらに、客先常駐先では、システム開発以外の雑用や事務作業に追われる日々が続き、モチベーションが低下したと語ります。
4-3. ブラック上司による精神的ダメージを受けた事例
Cさんは、客先常駐先で、理不尽な要求や叱責を繰り返すブラック上司に当たってしまいました。その結果、精神的に追い込まれ、うつ病を発症したと言います。SESエンジニアは、客先の環境に大きく左右されるリスクがあります。
4-4. SESを経験し、独立に成功した事例
Dさんは、SESエンジニアとして数年間経験を積んだ後、フリーランスとして独立しました。SESで培ったスキルと人脈を活かし、順調に案件を獲得しています。SESは、独立するためのステップとして有効活用できると述べています。
5. SESに向いている人と向いていない人の特徴

5-1. 未経験からITスキルを身につけたい人向け
SESは、未経験からITエンジニアを目指す人にとって、スキルを身につける良い機会となります。研修制度が整っている企業を選べば、着実にスキルアップできるでしょう。
5-2. 環境変化を好む柔軟な人向け
客先常駐型の業務形態を好む、柔軟な人はSESに向いています。様々な企業や人々と関わることで、適応力や対人スキルを磨くことができます。
5-3. 一定の経験を積んだエンジニアは避けるべき
一定の経験を積んだエンジニアにとって、SESは必ずしも良い選択肢とは言えません。スキルアップの機会が限られ、キャリアアップが困難な場合があるためです。
5-4. 長期的な業務関与を望む人は避けるべき
長期的に同じプロジェクトに携わりたい人には、SESは不向きです。案件の期間は通常1〜2年程度であり、長期的な関与は難しいでしょう。
5-5. コミュニケーションが苦手な人は避けるべき
客先常駐型の業務形態では、コミュニケーション能力が重要です。コミュニケーションが苦手な人は、SESエンジニアとしてのハードルが高いと言えます。
6. 優良SES企業の見極め方と転職のコツ
6-1. 自社開発サービスの有無をチェック
優良SES企業の特徴の一つは、自社開発サービスを持っていることです。自社サービスがある企業は、技術力が高く、エンジニアのスキルアップ支援に積極的なケースが多いです。
6-2. 派遣先・案件選択の自由度を確認
エンジニア自身が、派遣先や案件を選択できる自由度が高い企業は、働きやすい環境であると言えます。面接時に、この点について確認しておくことをおすすめします。
6-3. 口コミや評判の調査方法
転職先のSES企業を選ぶ際は、口コミや評判を調査することが重要です。「OpenWork」や「転職会議」などの口コミサイトを活用し、現役・元社員の生の声を参考にしましょう。
6-4. 面接時の逆質問で研修内容やサポート体制を確認
面接の最後に、研修内容や技術サポート体制について質問することをおすすめします。充実した研修制度や手厚いサポート体制があれば、スキルアップが期待できます。
6-5. 転職エージェントの活用とおすすめのサービス
SESエンジニアを目指す人は、転職エージェントを活用することで、効率的に優良企業を見つけることができます。「レバテックキャリア」「マイナビITエージェント」「Geekly」などがおすすめです。
7. まとめ:SESの実態を踏まえた適切なキャリア選択のポイント
SESは、メリットとデメリットを理解したうえで、自身のキャリアプランに合わせて選択することが重要です。特に、未経験からITエンジニアを目指す人にとっては、スキルアップの良い機会となるでしょう。一方、一定の経験を積んだエンジニアは、SESのデメリットを考慮し、慎重に判断する必要があります。
優良SES企業を見極めるためには、自社開発サービスの有無、派遣先・案件選択の自由度、口コミや評判、研修内容やサポート体制などをチェックすることが大切です。転職エージェントを活用することで、効率的に優良企業を見つけることができるでしょう。
SESの実態を踏まえたうえで、自身のキャリアプランに合わせて適切な選択をすることが、エンジニアとしてのキャリアアップにつながります。
SESに関するよくある質問(FAQ)
Q1. SESがダメな理由は何ですか?
A1. SESがダメだと言われる主な理由は以下の通りです。
- 低い給与と不明瞭な評価基準
- 案件獲得の不安定さと待機期間のストレス
- 客先常駐の孤独感とアウェイ感
- スキル不足による切られ不安とスキルアップの困難さ
- 案件のガチャ要素と業務内容のミスマッチ
- 雑用の多さとITスキル不要な業務の存在
- 業界構造の問題点と将来への不安
これらの理由から、「SESはやめとけ」と言われることがあります。しかし、メリットも存在するため、個人のキャリアプランに合わせて判断することが重要です。
Q2. SESは底辺ですか?
A2. SESを一概に底辺と言うことはできません。確かに、一部の企業では給与が低く、スキルアップの機会が限られている状況があります。しかし、優良なSES企業も存在し、エンジニアとしてのキャリアアップが可能な環境を提供しています。SESを選ぶ際は、企業の評判や働き方をよく調査し、自分に合った環境を選ぶことが大切です。
Q3. なぜSESで未経験の求人が多いのでしょうか?
A3. SESで未経験の求人が多い理由は、以下の通りです。
- SES企業が自社の教育制度を充実させ、未経験者を一から育成するビジネスモデルを採用しているため。
- IT業界の人材不足を背景に、未経験者を採用し、戦力化する必要があるため。
- 未経験者の方が、給与が低く抑えられるため、企業にとってコストメリットがあるため。
ただし、未経験者の採用が多いからといって、SESが低レベルな仕事だと決めつけることはできません。優良なSES企業では、未経験者に対する手厚い教育とサポートを提供し、エンジニアとしてのスキルアップを支援しています。
Q4. 未経験でSIerとSESのどちらがいいですか?
A4. 未経験でSIerとSESのどちらを選ぶべきかは、個人の目的とキャリアプランによって異なります。
- SIerは、自社内でシステム開発を行うため、長期的なプロジェクトに携わることができ、専門性を深められる可能性があります。一方、未経験者の採用は限定的で、競争率が高い傾向にあります。
- SESは、未経験者の採用に積極的で、教育制度が整っている企業が多いため、ITスキルを身につけるチャンスがあります。ただし、案件の不安定さや、スキルアップの機会が限られる可能性があることを理解しておく必要があります。
未経験者は、自身の目指すキャリアパスを明確にしたうえで、SIerとSESの特徴を比較検討し、自分に合った選択をすることが重要です。
Q5. SESの良い点は何ですか?
A5. SESの良い点は以下の通りです。
- 未経験からITスキルを身につけられる機会がある。
- 大手企業のプロジェクトに参画し、幅広いIT知識を習得できる可能性がある。
- 最終責任を負わないため、新しい技術へのチャレンジがしやすい。
- 様々な企業や人々と関わることで、対人スキルを磨ける。
- SESでの経験を活かし、将来的にフリーランスとして独立するステップとなる。
ただし、これらの良い点を享受するためには、優良なSES企業を選ぶことが重要です。自社開発サービスの有無や、研修制度、サポート体制などをしっかりとチェックし、自分に合った企業を選びましょう。

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