GraphQLで「Expected type X got type Y」エラーが表示されたときの解決方法
投稿日 2024年09月03日 更新日 2024年09月06日
GraphQL
エラー解決
GraphQLを使用していると、時々「Expected type X got type Y」というエラーメッセージに遭遇することがあります。このエラーは、GraphQLスキーマで定義されたデータ型と、実際に送信または受信したデータの型が一致しない場合に発生します。本記事では、このエラーの原因と解決方法について詳しく説明します。
エラーの原因
「Expected type X got type Y」エラーの主な原因は以下の通りです:
1. クエリやミューテーションで間違った型の引数を渡している
2. リゾルバー関数が期待される型と異なる型のデータを返している
3. スキーマ定義と実際のデータ構造の不一致
解決方法
1. クエリやミューテーションの確認
まず、クライアント側のクエリやミューテーションを確認しましょう。引数の型が正しいか、必須フィールドが指定されているかを確認します。
# 正しい例
query {
user(id: "123") {
name
age
}
}
# 間違った例(idが文字列ではなく数値)
query {
user(id: 123) {
name
age
}
}
2. リゾルバー関数の確認
サーバー側のリゾルバー関数が正しい型のデータを返しているか確認します。
// 正しい例
const resolvers = {
Query: {
user: (parent, { id }) => {
return {
name: "John Doe",
age: 30
};
}
}
};
// 間違った例(ageが数値ではなく文字列)
const resolvers = {
Query: {
user: (parent, { id }) => {
return {
name: "John Doe",
age: "30"
};
}
}
};
3. スキーマ定義の確認
GraphQLスキーマ定義が正しいか確認します。フィールドの型や必須フィールドの指定が適切か見直しましょう。
# 正しい例
type User {
name: String!
age: Int
}
# 間違った例(ageがStringになっている)
type User {
name: String!
age: String
}
4. Nullableフィールドの扱い
必須でないフィールドには`null`値を許容するよう注意しましょう。
type User {
name: String! # 必須フィールド
age: Int # null許容フィールド
}
5. 型変換の実装
必要に応じて、データの型変換を行います。
const resolvers = {
Query: {
user: (parent, { id }) => {
const userData = fetchUserData(id);
return {
...userData,
age: userData.age ? parseInt(userData.age, 10) : null
};
}
}
};
まとめ
「Expected type X got type Y」エラーは、GraphQLの型システムと実際のデータの不一致から生じます。このエラーを解決するには、クエリ、リゾルバー、スキーマ定義を注意深く確認し、必要に応じて型変換を行うことが重要です。適切なデータ型の扱いは、GraphQLアプリケーションの堅牢性と信頼性を高めるために不可欠です。
エラーメッセージを注意深く読み、どの部分で型の不一致が起きているかを特定することで、効率的にデバッグを進めることができます。また、開発環境でのテストやバリデーションを徹底することで、本番環境でのエラー発生を未然に防ぐことができるでしょう。
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